アビダルマ・ディーパ ジャイニ校訂本 第2版 1977年

アビダルマディーパとは、「アビダルマの灯」という意味を持つ、インド・説一切有部最後の論書で、説一切有部の思想史を研究する上では重要な文献になります。

1937年に写本が発見されて、初版が出たのは1959年です。

三友先生による御研究『アビダルマディーパの研究』があまりに有名で、それによってはじめて全容が明らかになりました。

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カント 道徳形而上学原論 第二版 1786年刊

カント存命中に出版された第二版です。説明するまでもなく、倫理学における古典的名著ですが、定言命法について最初に言及され、『実践理性批判』の基礎を確立したといわれる著作です。

見返しに書込みがございます。そこに書かれている内容がどういうものか、解読できませんが、気になります。

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ロック『市民政府二論』仏訳新版1754年刊

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アメリカ独立宣言やフランス革命等、古典的な自由主義に多大な影響を与えたといわれるロックの『市民政府二論』ですが、こちらは1754年に出された、フランス語訳の新版になります(仏訳初版は1691年)。1754年といいますと、モンテスキューの『法の精神』が出たのが1748年ですし、ルソーの『社会契約論』はこのすぐあと1762年に刊行されます。

まさに、啓蒙の世紀に出た、歴史の息吹を伝えるといっていい本でしょうか。

土田杏村 華厳哲学小論攷 大正11年初版

今週は、土田杏村関係がいろいろと入荷しております。

西田幾多郎・門下の土田杏村は、大正教養主義を代表する哲学者で、哲学だけでなく、教育、経済と多方面に活躍した人物ですが、注目されるのは、仏教思想を西洋哲学同様に論じた『華厳哲学小論攷』だと思います。

『大乗起信論』と『華厳経』という仏教の中でも、とりわけ哲学的とされる経論を扱っており、中でも、『起信論』の阿頼耶識(阿梨耶識)に関する哲学的考察は、のちに井筒俊彦氏の研究と双璧をなすものだと思います。